イベントレポ 第14回 就活女子会

新年度が始まりましたね。

新社会人、新1年生の方々やそれ以外の方でも、環境が変わった・新しくなったという方は多いのではないでしょうか。新しい環境に不安を感じてしまうことも多いと思いますが、素敵な出会いに恵まれるチャンスと捉えることもできます。

新しい友人や同僚など、皆様に良い出会いが訪れることを祈っております。

さて、今回は、先日行われた就活女子会#14の様子をレポートいたします。

今回のテーマは「私のキャリアの描き方って?」

3月は春休み特別編ということで、ジェンダーやキャリアデザインについてご研究されている専門家の方をお招きし、就活女子みんなで勉強する会を2回に分けて開催しました。

特別編後半にあたる今回は、法政大学教授の武石惠美子様をゲストにお迎えしました。

 

武石さんは大学卒業後労働省(現・厚生労働省)に入省され、10年務めたのちに民間のシンクタンクに転職し現在はダイバーシティ経営、ワークライフバランス、女性のキャリアなどについてご研究されています。
講演ではキャリアの捉え方が現在と過去で変化したことや当時の労働省に10年務められた武石さんならではのご経験についてなど、普通の就活セミナーでは中々取り上げられないようなお話も伺うことが出来ました。

 

〇そもそも「キャリア」ってなに?

「キャリアをつむ」「自分の将来のキャリアを考える」など、就活をしていてよく耳にする言葉ですよね。でも、やりたいことすら自分でもよくわかっていないことが多いのに、キャリアなんてどう考えたらよいのでしょう。

実は、「キャリア」と呼ばれるものの捉え方は次第に変化してきています。武石さんによると、昔は昇給や地位などの要素によって作られる「外的キャリア」が重視されていましたが、現在のキャリアは「ライフキャリア」とも呼ばれ、仕事と私生活の両方を重視し、自分がその仕事に適応できているか、やりがいを感じることが出来ているかなどを内的に判断することで構築していくものなのだそうです。

私自身、“キャリア=職歴や地位“だと思っていたので驚きでした。(同じ考えの方も多かったのでは…?)

現代のキャリアは従来の“他人からの評価によって得るもの”というよりも、自分自身による内的評価によって得られるものだったんですね。

 

〇「キャリアの8割は偶然で決まる」?

「キャリアデザイン」という言葉に振り回されてあれこれ考えていても、将来のことなんて結局は分からないし変わる可能性だってありますよね。ただでさえ今は変化の激しい「VUCA」の時代。あれこれ悩んでも、得られるのは“今の安心“でしかありません。じゃあ何も考えず気の向くままに過ごせばいいのか?というと、それはそれで不安だったり。

武石さん曰く、大切なのは“変化に対して柔軟であること“

新しいキャリア理論において、「キャリア」は自身で描いてそれを達成するものというよりも、偶然の出会いの積み重ねで出来上がっていくものなのだそうです。
ただし、偶然をただぼんやりと待てばいいということではなく、普段から自分で意識をもって備えておくことが重要です。備えとは、自分の好奇心や持続性、柔軟性、冒険心などを分析し自己理解を深めていくこと。
将来何をやりたいのか、自分の興味は何に向いているのかを知りゆるく計画しておくことで、自分にとっての”重要な偶然”を見つけることが出来るようになるのだそう。

「キャリアデザイン」というと「何歳までにこれをして、何歳にはあれをして」といった風にしっかりと計画を立てることをイメージしてしまいますが、綿密な計画をたててもこの変化の激しい時代では思い通りに進まない可能性のほうが高いかもしれません。
ならば、しっかりと計画を立てることより「自分が絶対に達成したいこと=目標」だけを明確にしておいて、周囲の流れにうまく乗りながら臨機応変に目標を目指した方がいい。
武石さんは「偶然の出会いを創り、重要な出会いを感じ取る」と表現されていました。
計画を立てることに必死になるよりも、目標達成に近づく思いがけないチャンスを逃さない嗅覚を、周囲の変化に対して柔軟でいられるマインドを、育てることが大切なのだと感じました。

〇就活はゴールではない、失敗することを恐れないで

「就職はゴールではなく、キャリアの始まり」と武石さん。私もその通りだと感じます。

就活で人生の全てが決まると思っていませんか?内定を取ることがゴールだと思ってしまっていませんか?
本当は、就職は人生のゴールではないし、本来強いられるものでもありません。
就活は私たちが夢に近づくための手段であり選択肢の1つに過ぎないと私は思っています。

私たちの人生、私たちのキャリアです。その決定権も責任も所有の権利も私たちのもの。
「自分のキャリアのオーナーシップを持つこと」の重要性も武石さんはお話しされていました。

自分のキャリアをどうしたいのか、そのために何をするのか。綿密に計画を立てなければと焦る必要はありません。
けれど、前回の「ワークライフバランス」もそうだったように、キャリアデザインも“自分の人生をどう生きるのか”といういわば“戦略”のひとつです。
目標はどこにあるのか、何が利用できるのか、戦略的に考え周りの資源をうまく使いながら自分のより良い人生に活かすことが大切です。

そして何より、“失敗しても無駄な経験なんてない“と、武石さんは何度も仰っていました。
人は間違いから学ぶもの、一回の人生だから上手く行くに越したことはないけれど、転職だって離婚だってもう当たり前の社会で、そもそもひとつも間違いなく生きるなんて無理です。
間違いだって思ったらすぐやめてもいいし、納得するまで続けてみてもいい。
間違いに気づいたあと自分がどう次に進むのか、その方がずっと大事なはず。

それに、私も聞いてはっとしたのですが「やりたいことって経験したことの中からしか選べない」のです。
一方で、世の中経験したことのないことだらけ。「やりたいことが分からない」は就活生で良くある悩みですが、もしかしたらそれもまだ出会っていないだけなのかも。それならなおのこと、間違うことを完全に避けるのは難しいですよね。
何ならやりたいことを見つけるための就職でもいい、という武石さんの言葉に背中を押してもらえた気がしました。

 

「先のことを一生懸命まじめに考えて前向きに向き合っている皆さんは素晴らしい」と武石さん。
「先が見えないのは不安だとは思うけれど、開けない夜はないと思って頑張ってほしい」と激励の言葉を頂いて、女子会は終了となりました。

 

3月の就活女子会特別編は、「よく耳にするけれど実はよくわかっていなかった!」という言葉や考え方について、専門家の方から直に学べる貴重な機会になりました。

ゲストの武石さん、参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

 

次回の就活女子会は4/25(日)です!よろしくお願いします。

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