りえぞんプロダクツ株式会社 代表取締役社長 諸星千鶴様

【プロフィール 】

1969年長野県安曇野市生まれ。大学進学とともに上京。流通大手企業に就職後、制作会社に勤務。結婚出産を経て、取材、編集、制作などで経験を積み、読売新聞の関連会社で取締役編集長として会社経営・運営に携わる。編集長としては地域情報誌を発行。また、多くの地域活性化事業、広報、コミュニティー活動に携わる。 2016年11月、広告代理店であるりえぞん企画(株)のグループ会社として、りえぞんプロダクツ(株)の設立を行い、代表取締役社長に就任。企業内コミュニケーションを軸とした制作会社として今期5期目となる。ナショナル企業を中心にBtoB企業、流通、ホテル、サービスなど幅広く80社以上の企業と関わり、社内報などのコミュニケーションツールの制作、アドバイスなどを行っている。

 

りえぞんプロダクツ(株):https://liaison-kikaku.co.jp/labo/

 

【インタビュー】

ー現在のキャリアに至るまでの経緯を教えてください。

私が最初に就職した会社は流通大手でした。流通業がとてもギラギラしていた時代、花形でしたので就職試験に受かった時には嬉しかったですね。しかも、一般職、総合職という採用枠があり、女性で総合職はまだめずらしく、私もどこかに優越感がありましたし、実際ちやほやもされました(笑)。でも現実は厳しく「人が好き」という理由でなんのビジョンもなく入社した私は、すぐに大きな挫折を味わい、体調を崩し数年で退社。まったくもって自分の所為で、期待してくださった方々にも迷惑をかけました。
その後、もっと自分らしく仕事がしたいと小さな会社に就職し、そこで編集やデザイン、制作などを学びました。そこで結婚し妊娠。女性が多い会社でしたが、一人も産休を取っている人はおらず、当然のように言い出すことはできず退社となりましたが、悲観もありませんでした。自分の中にいい母親になりたい気持ちも強く「子どもが3歳になるまでは、専業主婦でもいいか」という気持ちでした。そう言いながら、クライアントからの要望もあり、出産の前日までフリーで仕事をしていましたけどね(笑)。
調子にのって、出産から子育てなどもコラムに書いてリビング新聞に連載。その際に、少しの間だと思ってあずけた保育園に子どもがとっても楽しそうに行くのです。その流れで、徐々に仕事の時間が増え、新聞社でアルバイトをし、広告営業や編集記者として経験を積みました。とはいえ安月給でしたので保育園代がせいぜいでしたが、仕事を辞めようと思ったことはありませんでした。文章やデザインなど表現する楽しさ、自分の作るもの、組み立てた仕組みで喜んでくれる人たちの姿がとっても励みになり、自身の仕事としてやりがいを感じるようになったからです。その後、子育て中だからといって優遇されることはなかったですし、周りも助けてくれない、やりたい仕事はたくさんあるし、できないし・・・・いつもジレンマと闘っていた気がします。

その後、何社も仕事を変えざるを得ない状況もありながら、二人目の子どもの保育園が安定したところで読売新聞の関連会社に勤めます。子どもの成長とともに、アルバイトからパート、契約社員から正社員、そして取締役に。その間、編集だけでなく、与えられれば営業や事務、管理など様々な仕事を携わり経験しました。気が付けば、いくつも新規事業や組織、会社を立ち上げておりました。思えば、いろいろと思うように行かなかったこともすべて糧になっていたのですね。
今も、常に新しいことを生み出していくスタンスは変わりません。女性と仕事というところでは、当社にも力がある女性たちがたくさん働いています。自分の経験を生かし、できる限り働きやすい環境をと考えていますが、コロナ禍後も引き続きテレワークの導入、時差出勤を取り入れるなど、ますます改善していきたいと考えています。

―仕事や人生において大切にしていることを教えてください。

そうですね、仕事や人生で大切にしていることは色々ありますが、常に自分が働く姿が子どもにとって誇れる姿であろうと考えております。たとえそれが失敗して泣いている姿であっても、汗だくであってカッコ悪くても、私の働く姿を誇りに思ってくれるようにまだまだですが頑張りたいと思っています。

ー社内報はどのようなメリットをもたらしますか?

テレワークが広がりつつある昨今、リアルコミュニケーションの機会喪失による課題などが大きな社会問題です。ますます部署や拠点、経営と現場、社員同士が連携を図り、意識の統一を図っていうことが重要課題だと言われています。そのための手法として、「社内報」があります。社員が経営目標やビジョンの共有、情報共有による生産性の向上、ナレッジの共有、モチベーションアップ、そして企業のブランド力の強化など、企業が社内報を発行するメリットはさまざまに挙げられます。日々、 明るく、前向きに、自信を持って目標に向かって進むためにも社内報は大きな役割を果たします。

ー日々のスケジュールを教えてください。

私のある一日の流れを紹介します。

time topics schedule
5:30 起床 朝起きて10分ヨガに凝っている。
6:00 朝食 家族全員そろってしっかり食べますよ。出勤日が合うときは、娘や夫と一緒に通勤。
9:15 就業開始 当社は出勤は基本的に週に2日出勤、あとはリモート。時差で出勤するメンバーも多い。
午前の業務 チームリーダー会議出席 チームリーダーとの会議で制作チームを取りまとめるメンバーとの打ち合わせ。処処の問題点の吸い上げや、意見交換などを行う。
スタッフ面談 もう一名の役員と一緒にスタッフ一人ひとりと順番に面談。半年に一度、目標や成果などをききながら、評価やアドバイスを行う。2週間くらいかけて順番に!特に今回はリモートになって、悩みを溜めていないかきいていかねば!
クライアントとオンラインで打ち合わせ 大手BtoB企業の広報様とzoom会議。「リモート時代になり、ますます社内連携、企業内のコミュニケーションが難しくなってきている。いかに帰属意識を高めていくか」このような相談が多くなってきました。
12:00 ランチ ランチは実はボッチが多い。人と触れる仕事が多いので、キッチンカーで買って社内で静かに瞑想しながら食べるのが好き。
午後の業務 デザイナーさんと打ち合わせ 新しいデザイナーさんたちと打ち合わせ。私の会社では、仕事の仕方は多様化していて社員やアルバイトだけでなく、個人契約や会社同士の契約、内勤や自宅や案件ごと様々。工数や単価など交渉しながら働き方を決めていきます。
マネージャー会議 今度は経営陣・PM(プロダクトマネージャー)との会議。経営や運営について話し合います。
営業会議 営業さんと打ち合わせ。午前中にリーダーと話し合った問題のある案件について、営業部長と話をします。
18:00 定時 ここからは基本的に私個人の集中タイム‥‥。今度予定されている講座の原稿を作り始めます。
20:00 終業 終業目標タイム。当社のスタッフたちの目標残業時間は20時間。それまでに終わらせようとみんな必死。
22:00 帰宅 駅から自宅まで2.5kmほどを走るのを日課にしています。最高に頭を使った後、身体を使うと気持ちいい!
25:00 就寝 我が家の夕食は家族4人の当番制。今日は息子の麻婆豆腐。長風呂しながら漫画を読み、しっかりリラックスしてZZZZ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー女子大生へのメッセージ

就職活動というのは、自身にとって学びの最高のチャンスです。「何がやりたいか」とすぐに結論を考えてしまいがちですが、その過程として、企業にとって自分がどのような価値があるのか、価値を見出すためにどうしていきたいか、何を見出すかを冷静に分析し、ロジカルに表現することが大切です。夢や希望、バイタリティーなどの抽象的な部分を注視ばかりしていると見失いがちです。ぜひ、自身の進化のチャンスと捉えてチャレンジしてください。

ーインタビューワーからのコメント

お忙しい中、わざわざ対面でお話しいただきありがとうございました。
二児の母でありながら、この日本社会で生き抜いてきた強さを感じ、非常に勇気をもらいました。今の環境に合わないのであれば、自分自身で工夫をしていき、自分らしい働き方を見つけていこうと思います。皆さんも自分らしい働き方、一緒に探していきませんか??

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