株式会社フロントステージ 千田絵美様
【プロフィール】
1980年生まれ山口県岩国市出身。大学卒業後、小学校教師を経て、2004年に(株)KG情報に広告営業担当として入社。
2006年に出前館に広報・社長秘書担当として入社。
2008年にドクターシーラボに広報担当として入社。
2010年に第1子となる娘を出産後、育休を経て職場復帰。
2013年にSTORESにPRマネージャーとして入社し、同社の運営する「STORES.jp」は月1回以上テレビに取り上げられ、売上・ユーザー数毎年200%成長に貢献。
2016年9月「広報・PRを使って『らしさ』を引き出し、会社やサービス、人を“表舞台”(フロントステージ)へ出したい」という思いから(株)フロントステージを設立。
プライベートでは、働くママのロールモデルをシェアする「パワーママプロジェクト」を主宰。
【インタビュー】
ー現在のキャリアに至る経緯を教えてください
大学を卒業して、ずっとなりたかった小学校の先生になりました。
しかし自分に向いていないことに気づき、3ヶ月で退職。
そこで、人生で初めて、真剣に「自分は何になりたいのか」「自分には何が向いているのか」を考えた時に、まだ何になりたいかはまったく分からなかったものの、「営業はすべての仕事の基礎になる」と何かの本で書いてあったことを思い出し、営業会社に就職し、広告媒体を売る仕事を二年間行いました。
そのころから少しずつ起業については考えていました。
なぜかというと、私が小中学生の頃に、母が仕事で忙しく、単身赴任の期間もあったので、寂しかった記憶がありました。
そのため、私が母親になるときには、自分で場所や時間をコントロールできる仕事がいいなと漠然と考えていました。
そのころから、起業、または、フリーランスになることを視野にいれていましたね。
お客様にこちらが良いと思うものを買っていただいて、コミュニケーションをたくさんとる営業の仕事はとても楽しかったです。
ただ、営業をずっと続けていくイメージは無かったので、次に何が向いているか、続けられる仕事は何かを考え、広報・PRという職種にたどり着きました。
当時はメディアの9割が東京に集中しており、東京でしかできない仕事だと分かったので、転職先が決まる前に上京しました。「三か月くらいは無職になるだろう」と覚悟していました。
実際には三週間ほどで仕事が決まり、広報としてのキャリアの最初として、夢の街創造委員会(株)(現(株)出前館)に、同社初の広報担当として就職しました。
そこで二年半働いた後、(株)ドクターシーラボに広報担当として転職をし、そこでの5年間の間に出産をして1年間の育休もとりました。
その後、STIORESで三年間のPRマネージャーを経て、2016年に会社を設立しました。
色々な会社で経験をしていますが、教師を辞めてから、漠然とした目標は独立だったので、逆算して自分に必要なものを考え、キャリアを積んできました。
ーお仕事をする上で大切にしていることを教えてください
私自身が心地よく、楽しく仕事できているかということ、周りに価値提供できているかということの二点です。
一つ目については、広報も会社経営も、大変な仕事ではありますが、とても好きなことです。やはり私自身が楽しみながらもクライアントやメディアに価値を生み出すスタンスで仕事をしていると、そうした思いに共感してくれる社員やクライアントが集まります。そのため、自分のコンディションには気を付けています。
二つ目に関しては、広報・PRの会社はクライアントあってこそですので、クライアントの方やメディアの方がこちらに望んでいることに対し、きちんと価値を提供できているか、役に立てているか、という視点はとても大事にしています。
ー日々の過ごされ方を教えてください
最近は早起きをしています。娘が小学生なので、それに合わせて六時台には起きていますね。食べ物にはとても気を付けていて、朝は必ず果物をたくさん食べるようにしています。
娘を見送った後、八時ごろから仕事を始めます。オンラインの会議や他の仕事をしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。それでも娘が帰宅する時間にはなるべく家にいるようにしています。家族で夕食を食べて、十時くらいには寝ています。休日は家事をしながらゆったりと過ごしています。
ー女性であることで得したこと・損したことはありますか
得したことは、広報・PRの仕事には察するコミュニケーション力が必要ですが、女性の方がそういったことは得意なような気がするので、その点では女性で良かったと思います。
もちろん男性にも察する能力が高い方もいらっしゃいますし、一概には言えませんけどね。一方で、損したことは無いと思っています。
ーどういった方と一緒に働きたいですか?
人に好かれる人、誰かの役に立ちたいという気持ちの強い人です。広報に必要な力は、営業力や文章作成力など多岐にわたりますが、そういった力は後からも身に付けることができます。しかし、広報はクライアントの顔としてメディアの方に情報を提供するので、私達のイメージがクライアントのイメージとなります。
そのため、人に好かれる力は大切ですね。また、広報は企業やサービス、人の黒子として動く仕事です。自分が裏で黒子となりながら、広報をする企業や人の役に立つことにやりがいを感じられる人は、広報に向いていると思います。
ー就活をしている女子大生へのメッセージをお願いします
就活をするにあたって、自分らしさを問われるようですが、私自身、今でも新たな自分を発見することがあるくらいです。そのため、現時点では暫定的な自分らしさで全然問題ないと思います。ただ、自分らしさ=自分の理想像としてしまう傾向があると思うので、そうではなく、周りの人たちから褒められたことを心に留めておくことが大切だと思います。例えば、自分は大したことがないと思っていても、他人から見ると、あなたはすごく手先が器用かもしれません。自分の才能に自分では気づいていない方が多い気がしますし、周りの人に聞いてみると自分では気づいていない部分が分かると思います。
<山田愛純の感想>
今回、千田様からお話を伺い、千田様と社員の皆様がお仕事に対して前向きに、楽しく向き合っている姿が印象的でした。千田様のキャリアを積む上での行動力や計画性は、私達就活生が見習いたい理想像であると思います。
様々な業種の女性社長に会いに行き女性社長の持つ価値観を学ぶ会を主催。
2020年6月までに月1回のペースでZoomを用いて開催。4人の女性社長にご登壇いただく。
運営は合同会社オクトエルの関西学生インターンが担当。