中特グループ 橋本ふくみ様

山口県周南市に本社を置く中特グループのCEO、橋本ふくみ様にお話を伺いました。

中特グループは、山口県で廃棄物の処理やリサイクルなどを行っている会社で、㈱中特ホールディングス、中国特殊㈱、㈱吉本興業、㈱リライフ、㈱藤井興業、㈱ポータルハートサービスの6社で構成されています。

 

〈プロフィール〉
橋本ふくみ様
中特グループ最高経営責任者
HP:http://www.chutoku-g.co.jp/

神戸の短大を卒業し、保険会社に就職
その後、父の会社(現在の中特グループ)に経理として入社
後にグループ企業の1つである中国特殊株式会社の社長に就任
2014年、中特グループのCEOに就任

〈インタビュー内容〉
―社長になられた経緯を教えてください。
 入社した頃は一介の事務員みたいなことをしていました。ここを経営するなんて考えてもいなかったです。ところが、経営していた父が早くに亡くなりまして。
 高度成長期の頃は物を作る「動脈」と呼ばれる産業界では様々な法律が制定されていたのですが、いわゆる「静脈」といわれる私たちが携わっている業界においては法律的には未着手でした。ただ公害の問題などで、廃棄物のリサイクル、再資源化は進んでいきました。高度成長も下がり気味だった当時、新たな法規制も進みだした頃から、母もそれについていけなくなり次の後継者を考えた際に、私に白羽の矢が立ったのです。そこから人生が変わりました。
 グループ企業の中の「中国特殊」の社長に就任し、そこから数年経って、グループとしてホールディングス制とした際に、複数の会社をまとめる親会社である中特ホールディングスの代表となり、そのタイミングで中特グループCEOとなりました。

―お仕事の魅力はなんですか?
 今ビジネスはたくさん溢れていますよね。その中で他社の仕事を獲るのではなく、新しいものを生み出さないといけない。そのためにまだまだ解決されていない社会課題は何なのか、というのを今猛烈に考えています。これを見つけて解決する。そして解決するだけではボランティアになってしまうので、そこで事業として売上利益を確保できる仕事、それを考えるというのが私の仕事です。

―そうしたことを考えるやり方は、どういうものですか?
 過去から今という、過去の延長先がこれからの未来である、という考えは絶対にしてはいけない。今ここにいて、今から10年20年先の世界がどうなるのかを考えます。そういった予測はもちろん全部は当たらないけれど、今既に見えている事、例えば5Gが当たり前になった世界はどうなるかを考えます。例えば、日本のお医者さんがモニター越しにロボットを操作してブラジルの患者さんを手術することだってできます。これは5Gじゃないとだめなんです。こういう時代が間違いなく、近い将来、そう来年とかに来るんですよ。1年単位でどんどんスピードアップしていく。そういった事を想像してみると、何か見えてくるものがあるのです。しかし、私もわからないことがたくさんあるので、違う業界の人と話をします。お互いの強みを掛け算して、何かできないかと。

―「これを一緒にしよう」というのは、話し合いの中で生まれるのですか?
 色々なパターンがあります。雑談しながら生まれることもあります。ちなみに、弊社はダチョウの卵を使って花粉症が楽になる「のど飴」などを作っているのですが、それも雑談の中から生まれました。
 業界新聞の記者の方が来られたとき、「そういえばこの間、鹿児島でダチョウを見たんですよ。ダチョウってなんでも食べるんですねえ」と話していて。その時は「そうですか、ふーん」くらいだったのです。子会社の㈱吉本興業は廃棄物の回収をしており、スーパーなどから排出されるまだまだ食べられる野菜くずも回収します。それは従来焼却するのですが、本当『もったいない』と思うんですよ。まだ食べられるのにね。ある日、その『もったいない』と『ダチョウが何でも食べる』というのが合致するわけですね。「ダチョウが何でも食べるのならこれも食べるんじゃないの?」と。

―株式会社ポータルハートサービス(お片付け業務をされるグループ会社)が女性スタッフで構成されているのはどうしてですか?
 本来廃棄物とは家の外に出るものを待って回収する仕事ですが、その前に、家の中にあるものを一緒に片付けることはできないかなと考え始めました。でも、家の中に知らない男性が入るのって抵抗がありますよね。家の中まで入っていくなら女性の方がいいねってことになったんですよ。もともと家の中の片付けにも慣れているし、細やかな分別にも向いている。また、片付けの業務は朝から晩までではないので、ある時に集まってサッとやる、そういうのは主婦の方やパートの方でも出来るじゃないですか。正直、女性ばかりを狙ったわけではなく、気が付いたらそうなっていました。今はそれをウリにしています。

―女性であるから苦労したことはありますか?
 私自身、子育てしながら仕事をしてきました。男性と同じように仕事しようとしたら、自分の時間を削って様々な事を犠牲にしてやってきたわけです。普通の男性以上に大変だったと思います。
 でもそれを経験しているからこそ、逆に女性の気持ちになかなか添えないこともあります。「そのくらいできるでしょ」と、ついつい思ってしまう。しかし、「時代が違う」と自分に言い聞かせています。私たちが生きてきた価値観と違うけれど、それはそれで受け入れていく。押し通したってうまくいかない。今の価値観に置き換えましょうって。

―ご自分で意識をされているんですね。
そう。自分で「今」の目線に置き換えるように意識しています。実はすっごく努力しているんですよ!最新の本を読んだり若者に人気の音楽を聴いたりね。今何が流行っているのかなと考える。やはり、それは時代の風向きでしょ。「時代の風向きに敏感に反応する」というのが会社の基本姿勢にあります。そのためには好き嫌いではなく、色々な物を見て、何が流行っているのかを理解しようとしています。若い人が次の時代を創っていくわけだし、その人たちの価値観を理解しておかないとね。

―じゃあ若い社員さんが入るということも大事になりますか?
 すごく重視しています。オファー型マッチングサイトでの採用にやり方を変えるなど。例えば魚がいないところで釣り糸を垂らしても意味ないでしょう。

―「こんな人と一緒に働きたい」というのはありますか?
 素直な人。
 あと、人のことを応援できる人。一人じゃ何もできないもの。苦手なところと得意なところは人間みんなあるから、補い合う事が大事ですよね。みんな同じタイプの人だったら上手くいかない。得意な人も不得意な人もいて、その人たちがお互いを補い合うのが理想的ですからね。ちょっと元気がない人に声をかけるとか、ちゃんと人のことを応援できる人は、多分仕事も出来ると思うんですよね。夢中になっていても、少しでいいから周りのことを意識できるかどうか。気付くことが出来るかどうかは、とても大切な事なのです。

―最後に、就活生へのアドバイスやメッセージがあればお願いします。
 自分で枠を決めてしまわない方が良いですね。仮にその会社で「自分がやりたいことと違う」となったとしても、3年は続けた方が良いです。3年経つと何かが必ず身に付きます。辞めるのはそれが身についてからが良いです。例えば1年経たずに辞めてしまうと、多分他の次の所に行っても「また違う」って思いますよ。何も身につかないままだと変わるたびにゼロからのスタートになって、何年経っても何も積めなくなってしまう。最初から100%自分の意に沿うはずなどないですから。入ったばかりの時は希望と違って当たり前なの。

 「不思議の国のアリス」の話で「私はどっちに行ったらいいの?」と、アリスがチェシャ猫に尋ねたところ、チェシャ猫はこう応えます。
「あなたはどっちに行きたいの?」
「それがわからないの」
「わからないならどっちに行ったって一緒でしょ?」
 結局、幸せってどこかにあるわけではないのですよ。それは、自分自身の中にある。何処かにあると思って探しても見つかるものではなく、自分が幸せだったら「こんな幸せな人生ないわ」って思えます。要は自分次第という事なのですよ。
 辞めても、何処に行っても同じことが出てくる。悩みは死ぬまでありますからね。次から次に悩みはまた出てくるけれど、最初の頃の悩みと進んだときの悩みの質は違うはずです。それが成長ですよ。少なくとも最初と同じ悩みが再度やって来たとして、毎回逃げずに解決していれば、もう心配する事などないです。乗り越えられる力を持っているのですから、それが確実に自信に繋がっていきます。

お話にもあったダチョウが背景に!
本物ではないですが、等身大だそうです。大きい!

橋本様の、常に時代の流れに常にアンテナを張ってらっしゃる姿が印象的でした。

そして、どうしたって悩みは次々にやってくるものだという最後のお話に、私自身とても励まされました!橋本様、貴重なお時間をいただいてお話してくださり、ありがとうございました!

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