今回は株式会社ビヨンドザリーフの楠佳英様へインタビューしました!
【プロフィール】
楠佳英様
株式会社ビヨンドザリーフ 代表取締役
HP;https://beyondthereef.jp/ja/
1975 年東京生まれ。学習院大学法学部法学科卒業後、会社員の経験を経てファッションライターに。女性ファッション誌編集部に在籍中の 2014 年 6 月、義母の編み物の技術を生かしたバッグブランド「BEYOND THE REEF(ビヨンドザリーフ)」を立ち上げる。2015 年 12月に法人化し代表取締役社長に。2018 年 7 月に横浜市日吉にアトリエ兼ショップをオープン。すべての商品のデザインを手掛ける。
【インタビュー内容】
・起業されたきっかけ
きっかけは私の義母です。ファッション誌の編集をしていた頃、義父が亡くなってから義母は、一日中編み物をして時間を潰していました。出来上がった編み物の作品をプレゼントしてくれるのですが、デザインが時代遅れでファッション性がずれているため、普段使いはできないな、もったいないな、と感じていました。そこで、今まで培ってきたファッション誌編集者としてのノウハウと、義母の編み物技術をドッキングさせることで新しい価値を生み出せないかと考えました。膨大な時間を掛けた編み物をリブランディングすることで、一回社会から離れたおばあちゃんたちに、もう一度社会と繋がる機会を生み出せるのではないか、そう思い起業を決意しました。
・女性であることで得したこと・損したこと
女性であることに損得を感じたことは特にありません。私は大学時代ヨット部に所属していて、良くも悪くも男性と同等に扱われる環境にいました。男女関係なく一緒のフリートで戦ったり、同じ練習メニューをこなしたり、女性だから男性よりも大目に見てもらえるということが全くない環境だったので、逆に社会に出た時に「社会ってこんなにも女性に優しいのか」と思ったほどでした。
卒業後に就職した職場でも男女比が同じくらいだったので、学生時代も社会に出てからも、私の周りでは常に男女平等に扱われていましたし、活躍している女性も大勢いらっしゃいました。
一方、世界的に見ると日本はジェンダーに関する意識が先進国の中でも非常に低いです。男女差別やジェンダーのこと、不安に思うこともあるかもしれませんが、そんなに恐れなくても女性が活躍できる環境は意外とたくさんあります。悲観的にならずに、女性もどんどん好きなこと、やりたいことしてほしいと思います。
・仕事をする上で大切にしていること
一番大切にしているのは、自分の居心地が良い環境を意識してキープする、自分を大切にする、ということです。小さい会社だからこそ経営者の影響が強くなると思います。私が率先して心地よい環境を整えていかなければ、その雰囲気がスタッフには伝わりません。また、私が自分をないがしろにして仕事に追われている姿を見せてしまうと、スタッフは自分もそうしなければならないのかと、感じてしまいます。無理をして働いてほしくないですし、何よりスタッフが快適に働ける環境を整えるためにも、まずは私自身が快適でいるということ、これを常に意識しています。
・どんな学生時代を過ごされたか
ヨット部に所属していたので、大学時代のほとんどを合宿所で過ごし部活動に打ち込んでいました。
部活中心の生活は就職活動中も続きました。ヨット部の最後の試合が大学4年のGWの時期に行われる春インカレだったのですが、そのために2月の頭から合宿に入らなければならず、就職活動の時期とバッティングしていました。その時は、「就活なんてしている場合じゃない!」なんて思っていました。なぜなら、部活という夢中になれるものが目の前にあったので、「会社を選ぶ」という次のステップへの行為が、自分の人生軸ではないと考えてしまったからです。とは言え、面談や説明会には何社か参加しました。部活をやるために、きちんと計画を立てて効率よく絞って就職活動をしていました。最終的に、面接を通して面白そうだなと感じたことを決め手に就職しました。
・日々の過ごし方
仕事のことは常に頭にありますが、休日は必ず休むということを心掛けています。ずっと仕事をすると効率が落ちてしまいますし、何より私がずっと休みなく仕事してしまうと、スタッフが安心して休めないと思うからです。
趣味は大学からずっと続けているヨットです。また、仕事も私にとっては趣味みたいなものです。前職では仕事における達成度が可視化しにくいと感じていました。しかし、今は頑張ったことが売り上げという形で可視化できます。働きを明らかに可視化できるし、経営を通してPDCAサイクルを作っていくのを肌で実感することができるので、仕事は本当に楽しいです。また、楽しそうに働いてくれる仲間がいるということも、楽しく仕事ができている要因だと思っています。
・就活生にメッセージ
就職活動は、今いるレールの上から外れて、大人の世界に飛び込むための行為です。不安に思うかもしれませんが、社会に出ることはとても楽しいことです。社会情勢も不安定で大変に思うかもしれませんが、皆さんには自分なりの活路を見出して、ぜひ将来にワクワクして欲しいと思っています。どんなことも、捉え方次第では世界に羽ばたく第一歩ですから。気楽に、自分の心の向くことにどんどんチャレンジしてほしいと思います。
明るくはつらつとお話をして下さったのが大変印象的でした。楠様のお話を伺い、「私も将来、こんな風に楽しんで仕事をする女性になりたい!」と心から感じました。「将来にワクワクして!」という励ましのお言葉を、今就活を行う全ての方に届けていきたいと思います。
楠様、お忙しい中ありがとうございました!